それでも君が好きだよ
すると、結愛は私の方に振り返って、
「何でそんなに嬉しそうなの?気まずく
ないの…?悔しくないの?ねぇ…音。」
と、結愛は切なげな表情を浮かべた。
廊下に静かに響く声。
カサカサと揺れる木々の音。
涙を止めない空模様。
すべての時が止まったような気がした。
「く…悔しいって?気まずいって何が?」
私にはよくわからなかった。
何が悔しいのか、何が気まずいのか…。
結愛は苦し紛れの口を
またゆっくりと開いた。
「私さ…、ずっと音を恨んでたんだ。」