それでも君が好きだよ
私は長野病院の中へと入って、
301号室へと上がっていった。
―――コンコンッ…
ドアをノックする音が廊下に響く。
「どうぞ入ってください。」
と言うおばあちゃんの枯れた声が中から
聞こえた。私はドアを開けて中に入った。
「おばあちゃん…っ!!大丈夫なのっ!?」
思わずその小さく震える手を握りしめて
おばあちゃんの方を見た。
「えぇ…大丈夫よ。
和佳も来てくれてるし…。」
おばあちゃんは視線を私の
後ろにあるドアの方に向けた。