それでも君が好きだよ

新井はどうやら、温泉に入りに


来たわけでは無さそうだった。



「何しに来たの…?」



思わず聞いてしまった俺の言葉に新井は


少し困ったような顔をした。



「ありがとって…言いに来たの。」


「えっ…?」



新井は少し照れたような素振りを見せて、


俺に花束を渡してきた。



「柏原くんに花言葉を教えてもらったの。」



真っ白な花が俺の心を真っ白にする。


真っ黒な心をまるで


包むかのような綺麗な花。
< 187 / 272 >

この作品をシェア

pagetop