それでも君が好きだよ
ダンスが踊れないんじゃなくて
馴れないヒールで靴擦れを起こして
痛くて…踊れなかったんだ。
「無理させてごめんな…音。」
「え…っ?柏原くん。
私、無理なんてしてないよ?」
そう言って音は笑った。
『大丈夫だよ』って笑った…。
そして、音が急に立ち止まった。
俺は音に小さく頷いて、ドアを開けて
中に入ると、そこは電気のついて
いない真っ暗な調理室だった。
そして、そこに立っていたのは…
「………結愛っ!!」