それでも君が好きだよ

俺はその先の言葉がなくても

強すぎる北野の憎悪の心で分かった。



『自分の物にならないなら
壊してしまおうと…そう思った。』



欲望に心を乱された女というのが


ここまで酷いものだとは思わなかった。



一瞬、足が動かなくなった。

それぐらい彼女の心は真っ黒だったんだ。



音はきっと怖かっただろう…。


だけど勇敢に立ち向かったんだ。



「結愛…帰ろう?もう、大丈夫だから。
今なら誰も来ない。だから早く帰ろう?」



きっと、全てを自分のせいにしようと

音は考えたんだろう。
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