それでも君が好きだよ

番場くんを早く助け出せなかった


自分に苛立ちながらも結愛のせいにして


いる自分がいつも見え隠れしている。




私がインターホンを

押そうかどうか迷っていた時、後ろから




「もしかして…音ちゃん…?」



と声がかかった。


思わず振り返ると……




「えっ……おばあちゃん!!」




買い物をして帰ってきた様子の


番場くんのおばあちゃんが私を見ていた。



「和佳に会いに来たのかい?」



「うん……。」



「そうかい…。それじゃあ、中にお入り。」



「はい……お邪魔します。」
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