それでも君が好きだよ
ease one's sorrow~和佳side~
「北野…。」
「何よ…和佳。どうして
その怪我で学校に来たのよ…。」
俺は北野をだれもいない裏庭に呼び出し、
噴水近くのベンチに腰掛けた。
「君の心が黒くなっていくのは嫌なんだ。
俺は…ずっと…ある女を恨んでいる。」
「えっ…?」
「その女は俺の前を立ち去る前に父さんにこう言った。『貴方は私の物なのよ』と。」
「…………それって!!」
「君がずっと前に言った
台詞と同じだ。だから、言っておく。」