それでも君が好きだよ
そして、誰も居ないであろう、
噴水のある庭へとやって来た。
「ちょっ…新井っ!!何で!?」
「いいから、そこ座って!!」
私は噴水のすぐ側にあるベンチに
番場くんを座らせた。
「番場くん、足出して!?」
「……なっ…何で?」
「私、知らない。番場くんが今、怪我してる事もいつも一生懸命走ってる事も。何も知らないよ…」
私は番場くんの右足にテーピングしていった。
大きく腫れ上がった脚が
彼の努力をよく伝えてくる…。