それでも君が好きだよ
すぐに番場くんが手を伸ばしてくれたけど
私はその手を取ることは出来なかった。
「ぷはっ…イタタタっ…。」
思いきり尻餅をついて痛くて起き上がれない。
は…恥ずかしいな…。
「な…何でそこまで…。」
噴水に入ってびしょびしょになった私の方を
見て番場くんが困った顔をした。
「ごめん。私、何か役に立てるんじゃないかって思って…。だって、番場くんなら走れるって信じてるからっ!!」
濡れて重たくなった体を起こし、
痛みが引くと共に私はニッコリ笑った。
すると…
番場くんが私に手を差し伸べた。
私は少し驚いたけど
その手をとって噴水からでた。