それでも君が好きだよ

「ごめん…。もう行く。」




そう言って番場くんは私から離れて



私の肩にウィンドブレーカーをかけると


白いユニフォームを見せてグランドの


方に走っていった。



私も急いで女子更衣室に行こうとしたが、


廊下を走っている途中で



「あっ…新井!どーしたんだ?」



と、驚いた様子の柏原くんが


私に声をかけてきた。



「お前……びしょ濡れじゃねーか。」



呑気な柏原くんはメロンパンを


口に食わえて私を心配そうに見た。



「だ…大丈夫だよ。今から着替えるとこ!!」
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