それでも君が好きだよ
番場くんがグランドを華麗に駆け抜ける。
どこか綺麗で…だけど力強くて…
「白い虎みたい……。」
ユニフォームの512番が輝いて見えた。
やっぱり番場くんは凄い…。
怪我をしていると思わせないような
そんな走りだった。
『こっ…高校生新記録です!!短距離
の部の優勝は海上高校、番場和佳くん!!』
「………番場くん、凄っ!!」
「格好いいーっ!!無口で苦手だったん
だけど、こりゃーファン増えるね!」
皆が階段から立ち上がって拍手してた。
私は思わず階段からグランドの方へと
降りていった。