それでも君が好きだよ
「お前…この能力に気づいたのか…。」
そう言う柏原くんは今まで見たことない位、
悲しい顔をしていた。
「なっ…何でそんな顔するの…。私、何かした!?」
私は困ったように彼の方を見てしまった。
だって…こんなの…柏原くんじゃない。
「そうだろ。俺じゃないみたいだろ。
知ってる…。だって俺、呪われた子だから。」
「えっ…?」
「人の心が見えてしまう…。でも今まで
見てきたのは真っ黒な心ばかりだった。」
「それって…」
「俺をたらい回しにした親戚達の心……。
俺、両親ともに事故で失っちまったんだ。」