それでも君が好きだよ

「ねぇ…そう言えばさ、番場くんは
どうしてこっちに転校してきたの?」



私は少しだけ真面目な顔をして、

番場くんに聞いてみた。



すると番場くんは少しだけ困った顔を


見せて、またすぐに話を始めた。




「俺がこっちに来たのは俺の母さんが
親父を殺したからなんだ…。」



「…………っ!!」



「俺も母さんに殺されかけたんだ。
真っ赤に染まった部屋を俺は……忘れない。」




この時の番場くんの瞳は何かを恨んで、何かを


憎しみ最後には全てを壊してしまいそうな…。



そんな瞳をしていた。
< 92 / 272 >

この作品をシェア

pagetop