それでも君が好きだよ
「ねぇ…そう言えばさ、番場くんは
どうしてこっちに転校してきたの?」
私は少しだけ真面目な顔をして、
番場くんに聞いてみた。
すると番場くんは少しだけ困った顔を
見せて、またすぐに話を始めた。
「俺がこっちに来たのは俺の母さんが
親父を殺したからなんだ…。」
「…………っ!!」
「俺も母さんに殺されかけたんだ。
真っ赤に染まった部屋を俺は……忘れない。」
この時の番場くんの瞳は何かを恨んで、何かを
憎しみ最後には全てを壊してしまいそうな…。
そんな瞳をしていた。