椿ノ華



強く椿の腕を引き、ベッドに押し倒し。


「お兄様…?!」


椿の細い体に跨った。


「…汚い女だ」

「え…?」


低い声で。冷たい声色で。

蔑むような葵の目線。


「言え。壱には何処まで許したんだ?」

「ちょ、何言って…!」

「言い逃れはさせない。俺は見たんだ」

「何を見たって言うんですか…っ」

「お前達の、キスシーンだ」



< 109 / 243 >

この作品をシェア

pagetop