椿ノ華



「…何時まで泣いてるんだ」


ベッドの中で蹲り、声を殺して泣いている椿。

何事も無かったかのように着替えている葵は、
鬱陶しそうな目線を向ける。


「…これでお前は俺のものだ」


着替え終わりベッドに腰掛けた葵は、
布団の上から椿を撫でる。


「…貴方のものになんかなりません」


布団から顔を出し、涙が滲む目で睨み付けた。

それでも葵は、不敵な笑みを浮かべている。


「好きにしろ。お前は俺に従う事になる」



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