椿ノ華



「…甘えん坊だね、今日は」

「…たまにはそういう気分なの」


優しく抱き返し、頭を撫でてくれる壱。

この腕を、覚えておきたいと思った。


「僕もシャワー、浴びてくる。先に寝てていいよ?」

「ええ、行ってらっしゃい」


浴室に入った壱を見送って、ソファに座った。


「…本」


テーブルに置かれている英語の表紙の本。


「これ読んでたんだ…」



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