椿ノ華
「お…葵さん、おはようございます…あの、私…」
「最中に意識を飛ばしたから寝かせておいただけだ」
「ご、ごめんなさい…!」
慌ててベッドから起き上がり、
背広を持っている葵へと駆け寄る。
背広を受け取り、葵の背中に回り腕を通させる。
葵の着替えを手伝うのも、
"妻"としての椿の仕事だった。
「あの、今日は…」
「帰りが遅いから、待っていなくていい」
「はい、分かりました」
「俺に抱かれない夜が嬉しいか?」
冷たい声に顔を上げると、嘲笑を浮かべた葵が居て。