椿ノ華
椿の剣幕に、葵がたじろぐのが分かる。
「だから食事量も減って、体調を崩すんです。
お仕事が忙しいのは分かりますが、
きちんと自己管理なさってください。
自己管理は、ちゃんと睡眠を取って食事もする事を言うんですよ」
「……」
「分かりましたか?」
「…ああ、分かった」
素直に頷いてくれた事が嬉しくて、微笑む。
「…意外だな」
「え?」
「お前に心配されるなんて」
「…私をそこまで薄情者だと思っていらしたんですか?
妹でも妻でも、…家族の心配はします」