椿ノ華



「…はぁ…」


ばふ、とベッドに倒れ込む。


「…ふかふか」


枕に顔を埋めて、考えた。


「…受け入れて貰えるのかなぁ…」


葵は仕事で多忙の為、あまり屋敷には帰らないらしい。

だから今まで、ずっと会う事は無かった。

啓一郎が引退するので、そのせいで余計に忙しいのだと。

父親が亡くなり、次期当主は葵だと幼少の頃に決まっている。

ずっと、その為の教育をしてきたと啓一郎が言っていた。

少し、後悔している様な表情で。



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