椿ノ華
「…俺は、壱にも酷い事をしたな…。
長年の親友なのに、あんな裏切り方をしてしまった」
「…優しい方ですから、きっと困りながらも許してくれますわ」
「…そうだと、いい…」
やがて、疲れた様に目を閉じる葵。
「…疲れたでしょう、お兄様。もう、お休みになってください。
大丈夫です。ちゃんと此処で、手を握っています」
「…ああ…椿」
「はい」
「…後は、全て…壱と、お前に任せる…」
「え…?」
「むしがいいかもしれないが…最期の頼みだ」