椿ノ華



すっと、彼女…麗羅の影から出てきたのは、紫野。


「紫野…!?」

「僕は、本来星野家…麗羅様専属の執事です」

「?!」

「葵様はそれに気付かれていたようで、警戒されました」

「え…?!」

「蓮人は私の人形。南十字の動向を伺えと、私が派遣したのよ」

「そんな…」


こんなに身近に、内通者がいたなんて。


「まさか、貴女の専属になるとは思っていませんでしたけど。

そればっかりはラッキーでした」

「雰囲気が似ているものねえ?

貴女の愛しい愛しい成瀬川 壱に!」



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