椿ノ華
がくんと、膝から崩れ落ちる。
「でももう手遅れよ?私と壱は婚約したの。
貴女は邪魔者。あの時の私と同じ」
「…あ…」
―「絶対に許さない…!!」
「あの時の憎しみは、この何年間ずっと忘れなかったわ。
貴女という雌豚が!私から!葵さんを奪うなんてね!」
乾いた音と共に、頬を叩かれる。
「あらあ、ごめんなさい。血が出ちゃったわねえ?」
「え…?」
頬からは、麗羅の爪で切れた傷から血が流れていた。