椿ノ華



「どうかしら?間違いは無いわよねえ?」

「……」

「腹違いの兄妹で夫婦を名乗るなんて…汚らわしい!」

「うっ…」


腹部に、重い蹴りが入れられる。

ヒールでやられたそれは、激痛だった。


「麗羅様、いけません」

「何?」


止めに入った紫野を、冷たく睨む麗羅。


「麗羅様がお手を汚す事はありません。

汚い仕事は、全て僕に…」


するりと手を取り、忠誠を誓う様に跪いて、口付ける。



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