椿ノ華



「…そうね。任せるわ」


麗羅は一歩後退し、紫野が椿の前に立つ。


「僕は、一緒に堕ちる事を選びます」

「……」

「それしか、出来ない」

「…愛してる、なら、出来るわ…」

「これが僕の愛し方です」


かちゃりと、金属音がする。

顔を上げると、ナイフが振り下ろされていた。


「…きゃ…」


悲鳴を上げるよりも早く…



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