椿ノ華
強く睨み付ける壱から目を離す麗羅。
「君も。紫野 蓮人くん?」
「…僕、これ…傷害罪ですよね…」
「ああ、そうだね。君は実行犯、彼女は殺害指示で逮捕かな」
「?!」
「何?彼女は関係無いとでも?」
「麗羅様は悪くありません!!」
彼女を庇おうと、必死の形相でそう言う彼を他所に、
麗羅は視線を何処か遠い所へと向けていて。
「そんな言い逃れは出来ないよ、
彼女を守りたいって気持ちと忠誠心には敬服するけどね」
そして壱は、喪服の内ポケットから何かを取り出した。