椿ノ華



「そして、僕が証人だ。どう?これでも関係無いかな?」

「……」


ぐっと、唇を噛み締める紫野。


「…裏切ったのね」


ずっと黙っていた麗羅が、やっと口を開いて。


「君だって、彼女への復讐を円滑にする為に僕に接近したんじゃないの?

そして僕は、それを利用しただけ。彼女を、守る為に」


振り返った壱は、まだへたり込んだままの椿を立たせて肩を支えた。


「これは警察に提出させて貰うよ。

診断書と、そのナイフも一緒にね」

「……」

「麗羅様…」



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