椿ノ華
パーティー
「椿様、お召替えのお手伝いに参りました」
「え、もうそんな時間ですか?」
「はい。読書に熱中なさっていた様ですね」
窓際にある、大きめのアンティーク調の椅子。
其処で本を読むのがお気に入りになっていた。
「それだけ此処での暮らしに慣れたという事ですから、
私使用人としてはとても嬉しいです」
「ふふ、まだ慣れない事はたくさんありますけどね…」
「この間も屋敷で迷子になられていましたもんね」
「ああ、それは止めてください…恥ずかしい」
椿の専属だという使用人とは、大分打ち解けた。