椿ノ華



「藤堂グループの藤堂 雪(とうどう せつ)様だ。

兄である雷(らい)様がグループの代表だが、今日は不在のようだな」

「そうなんですか…」

「お前はずっと先程のようにしていろ」

「はい、分かりました」


ずっと葵の横で愛想笑いをしていたせいか、
挨拶回りが終わる頃には疲れ果てていた。


「…もういい、か。帰るぞ、椿」

「はい」

疲れた…

「…椿」

「はい?」



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