椿ノ華



「…私、絶対嫌われてるよね」


バルコニーに出て夜風に当たる。

月が綺麗な夜だ。



別に嫌われてたっていいけど…

一々あんな目で見られると気分よくないよなぁ。



ふと振り返り、二人を見詰めた。

葵の表情は相変わらずだが、お似合いな二人だ。

きつめの美人の麗羅と、恐ろしい程に顔が整っている葵。

月へと視線を戻して考えたのは、一変した生活の事だった。



< 44 / 243 >

この作品をシェア

pagetop