椿ノ華
募る想いと嫉妬
「…はい、此方で完成です」
「ありがとうございます」
鏡の前でくるりと回る。
「椿様も着付けが大分上手くなられましたね」
「まだ最後の仕上げはお願いしないと不安ですけど…」
「ふふ、難しいですから。ゆっくりお教え致します」
「はい、お願いします」
途中までなら、自分一人で着物を着られる様になった。
「ああ、椿様。大広間にお兄様がいらっしゃいますよ」
「え…」