椿ノ華



「でもさ、この前行ったパーティー。

南十字は不参加だったみたいだけど、椿の事噂になってたよ」

「噂?私が?」

何で…?

「"南十字 葵の美人過ぎる妹"とか、"微笑みが天使"とか…

"和服美人"とか、"美形兄妹"って」

「お兄様は確かに綺麗な顔してるけど、私は全然…」


珠里は椿を冷たい目で見詰めた後、溜め息を吐いた。


「まあそんなとこもあんたのいいとこだけどさー」

「うん…?」

「お母さんの事で参ってるんじゃないかって心配だったから、良かったよ」

「…うん。何とかなってる」



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