椿ノ華
重ねる逢瀬
「送って頂いてありがとうございます」
「いいえ、此方こそ遅くまで付き合わせてごめんね?」
「いえ、とても楽しかったです。
美味しいお料理御馳走様でした。
それに、たくさんプレゼントして頂いてしまって…」
「はは、いいよ。僕が好きで贈った物だから」
「…それじゃあ、失礼しますね」
車のドアに手を掛けて外に出る。
屋敷に向かって歩き出したその時、
「…待って!連絡先だけ、教えて貰えるかな?」
「え…」
「ほら、じゃないと今日みたいにしか誘えないし…」
「……」
「駄目、かな…」
「…ふふ、いえ。また誘って頂きたいですし」