椿ノ華
事件勃発
そして、パーティー当日。
「椿、今日はお前に着いててやれないが」
「はい、大丈夫です」
「そうか、余計な事を喋らないように」
「はい、お兄様。挨拶楽しみにしています」
「…期待はするな」
かつ、と靴底を鳴らし歩いていく葵。
「椿」
「…あ、壱さん」
「久しぶりだね」
「ええ、会えて嬉しい」
自然と出た言葉と共に柔らかく微笑んだ。