焦れったい焦れったい。
両思いの落とし穴
『愛してる。』
『私も。』
‥‥‥‥‥‥‥
「……はあ。なに想像してるんだろ、私。」
私と彼の愛の思い出は、私の頭の中だけ。
所謂、幻想。
そんな妄想の繰り返し。
私の彼氏は、同じ高校に通ってる同じクラスの人。
見た目が、黒髪で鼻が高い、目が透き通ってる格好いい自慢の彼氏。
彼の"佐伯 裕也"という名前にちなんで、私は「裕くん」と呼んでいる。
裕くんは、モテる。
去年のバレンタインなんか20個以上貰ってた。
「私の1個も、他の人と同じ価値なんだろうな。」って思ったりもしてた。
……あー嫌な思い出。
そんなことを考えていたら、時間が経つのははやいものでもう7時半。朝の、ね。
「やば、遅刻する。」