龍蝶
「どういうことだ」
咲羽の芯の通った声が聞こえる。
その声からは、感情がよくつかめない。
「強がりで、可愛くて、涙もろくて優しくて・・・・いい子、なの。すごくすごく、
いい子なの。」
顔をゆっくり上げる。
5人の顔はそれぞれで、驚いてるのもいれば、真剣そうな顔してるのもいる。
うん、大丈夫。こいつらなら、きっと、大丈夫。
「私の、大切な親友、守ってあげて」
咲羽の目を真っ直ぐに見つめる。
お願い、頷いて。
「なんでだ」
「え?」
「なんで、俺らがそいつを守らなきゃならねぇ」
綺麗な口から出て来た言葉に、少し反応する。