龍蝶
地を這う低いけたたましい爆音にウチは跳ね起きた。
何!?
何重にも重なり、響く爆音に混ざり男たちの笑い声や怒声が聞こえる。
無意識のうちにスイッチを入れた。
音の方に視線を放れば、運動場に数台の大型二輪が走り回っている。
立ち上がって豆粒ほどに見える下のやつを見る。
「―――っ!?」
それに気づくまで然程時間はかからなかった。
心臓が鷲掴みされてるみたいに苦しい。
呼吸が不規則になる。
頭よりも何よりも先に体が動いた。
屋上の扉を音を立てて突き飛ばし、全速力で階段を駆け下りる。
走りながらでもわかるくらい生徒たちは焦りをかもしだしていた。
それを見て更にスピードを上げる。
昇降口に着けばすかさず先生たちに取り押さえられた。
「やめなさい!!教室に待機してるんだ!!!」
殴り飛ばしてやろうかと思った。