龍蝶
こんな時に待機なんて・・・・・!!
栞が、栞が・・・・・!!!!!
屋上から見た光景に、再び鳥肌がたった。
思い出せば、後悔と焦りと、いろんなものが混ざって
ウチを必死に止めようとする先生。
「・・・・離してもらえますか?」
普段のウチからは到底想像できないような低い声。
その声に怯む教師。
「あんたら教師はいっつもそう。教育者でしょ?大人でしょ?子供を、生徒を守るのが仕事なんじゃねぇの!?何でオメェらが安全なとこにいて生徒が体張ってんだよ!!!守れねぇなら離せよ」
体が尋常じゃないほど震えてる教師たちに、心底吐き気がした。
普段は俺らの天下だ、みたいにしてるくせに。
いざってなると、バッサリ切り捨てるんだ。
それが例え、命に関わることでも。
教師たちの手を振り払い、校舎から出た。