龍蝶



・・・・まぁ、こいつらが生きて出られたら、の話だけど






「ねぇ、その子返してくれない?」





しっかり相手を見据えたまま話す。



太陽の光で、栞の首元でキラリ何かが光った。





「・・・・ナイフ、ねぇ」





栞の首元にはサバイバルナイフがそえられている。



ぐ、と手に力を込める。





「・・・・くっ、ははははっ!!!!」





急に相手の男が笑い出した。




とうとう頭がイっちゃったのかも知れない。手遅れだ。





「お嬢ちゃん、こんなとこにのこのこ出てくるなんてすごいですねぇ?」





ウチをからかうようにして、顔を覗き込んでくる男。





「でしょ?だからさ、その子返してよ」





栞を指差してニッコリ笑ってあげた


痛み放題痛んでる金髪が視界に入ってウザイ



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