龍蝶




「陸は佳乃に怒ってんじゃねぇ。だから、心配すんな。あの時みたいにはしねぇよ。お前を一人にはしねぇ。約束したろ」






そうだ・・・


約束してくれたじゃないか。




『もう一人にしてよ!!!なんで私にかまうの!!?』


『ざけたこといってんじゃねぇぞっ!オメェが大切だから一緒にいんだろーが!!こんなボロボロなお前を一人にできっか!!!!』



『俺たちは、お前を絶対一人にしないって約束してやるよ』





なんで、忘れてたんだろう・・・



ボロボロだったウチを救ってくれたのは、陸たちだったじゃないか・・・





「ケリつけて、理事長室に来い。栞ちゃんと待ってから」


「大丈夫だよ佳乃。俺らは変わらない方だから」





誓と嵐士はゆっくり保健室から出て行った。




『この世界に変わるものと、変わらないもの。2通りしかないんだとしたら、俺らは変わらない方だ。』




『何年経っても、ずっと。どこまで行っても、俺らは仲間だ』





皆は覚えててくれた。


ちゃんと、覚えててくれた。




迷って、挫けて、うつむいてたウチに皆が約束してくれたんだ。







“だから、お前は迷うことなんてねぇ。ただ俺たちと一緒にバカやってりゃいい”






あぁ、そうだ。


“私”は一人なんかじゃなかった。



そして、コイツ等も、“私”をみて話をしてるんだ。



だったら、ちゃんと答えをだそう。




< 156 / 173 >

この作品をシェア

pagetop