龍蝶
「陸は佳乃に怒ってんじゃねぇ。だから、心配すんな。あの時みたいにはしねぇよ。お前を一人にはしねぇ。約束したろ」
そうだ・・・
約束してくれたじゃないか。
『もう一人にしてよ!!!なんで私にかまうの!!?』
『ざけたこといってんじゃねぇぞっ!オメェが大切だから一緒にいんだろーが!!こんなボロボロなお前を一人にできっか!!!!』
『俺たちは、お前を絶対一人にしないって約束してやるよ』
なんで、忘れてたんだろう・・・
ボロボロだったウチを救ってくれたのは、陸たちだったじゃないか・・・
「ケリつけて、理事長室に来い。栞ちゃんと待ってから」
「大丈夫だよ佳乃。俺らは変わらない方だから」
誓と嵐士はゆっくり保健室から出て行った。
『この世界に変わるものと、変わらないもの。2通りしかないんだとしたら、俺らは変わらない方だ。』
『何年経っても、ずっと。どこまで行っても、俺らは仲間だ』
皆は覚えててくれた。
ちゃんと、覚えててくれた。
迷って、挫けて、うつむいてたウチに皆が約束してくれたんだ。
“だから、お前は迷うことなんてねぇ。ただ俺たちと一緒にバカやってりゃいい”
あぁ、そうだ。
“私”は一人なんかじゃなかった。
そして、コイツ等も、“私”をみて話をしてるんだ。
だったら、ちゃんと答えをだそう。