龍蝶



「ははっ、そおか覚えてたのか!!」




・・・・


もういいい。この際嵐士は無視しよう





「終わったのか?」




陸がはじめて言葉を発す


その声は、いくつもの感情を押し殺して出した声だった




「、うん・・・」



「そうか」



栞も嵐士も誓も、陸も


“私”を見る




「、ごめん・・・」




答えを待ってるように


静かに、待っててくれる


急かすわけじゃなく、ただ静かに





「“私”は、仲間にはならない・・・でも、アイツ等は“私”を見てた、私自身をみてた。でも、仲間には、ならない」




私の仲間は絆龍だけだから、とは言わなかった。



もう、そんなこと陸たちの前で言えない、言っちゃいけない



私は裏切り者で、私は、逃亡者だから。


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