龍蝶
「佳乃、もう二度とあんなことすんじゃねぇ。こっちがどんだけ冷や冷やしたとおもってんだ」
陸がしかめっ面で、そう言う。
あぁ・・・変わらないなぁって思う。
昔からそうだった、陸は何でもわかってるんだ。
私のこと、全部。
それでも何も言わずに、私が言うまで待っててくれる
「ホントだ、馬鹿。冷や汗もんだったぜ」
「ははっ、だからよな」
嵐士も誓も。変わらない
「陸たちもでしょ。まぁ、陸たちが外に居てもビックリはしなかったけどね」
他の先生方は安全なところで自分の身を案じているとき、陸たちだけは外で体をはっていた
「あったりめぇだボケ。栞ちゃんだったんだから尚更だ」
「・・・うん。ありがとう」
当たり前だと、思ってくれてるのがすごく嬉しくて泣きそうになった
「栞・・・怪我は?」
「ううん、大丈夫・・・」
ぎこちなく、言葉を交わす。
久しぶりに交わす言葉がこんな会話だなんて、
そう思う私は、わがままなのだろうか