龍蝶


成美のあの笑顔が脳裏に焼きついて離れない


それに、皆は必死で隠してるんだろうけど、3日前くらいから様子がおかしいよ


どこかピリピリしてる、何かに焦ってる




「佳乃、今日一限なんだっけ?」


「え?あー・・・英語?かな?」




英語かーそっかー眠いねー


そういって教科書を出していく栞




この調子で、栞はいつもの調子だ




「佳乃ー、今日は倉庫来るのか?ってか咲羽さん連れてくんですか?!咲羽さん!?聞いてます!!?」




・・・


このスンバラシイ程のマシンガントークの持ち主は緑頭の澄<キヨシ>


雷龍の下の子達のまとめ役兼ね幹部と下の子達のパイプ役。



寝てる咲羽を起こす澄




「お、おいキョン・・・やめとけって」


「さーくーはーさーん!!!」




すかさず違う下の子が止めに入るけど澄は聞いていない



澄は皆にキョンと呼ばれていた


外見のインパクトに似合わず可愛いあだ名だと思う。




咲羽たちと話すようになってからというもの、幹部以外の人たちとも近づけた。




「・・・」




あの日から顔も口もきいてないのは、成美だけだった



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