龍蝶
「どういう風に思ってくれても構いませんけど、その顔ウチに向けないでくれますかぁ?」
ウチが言えた事じゃないけどね、そのバレバレの笑顔、イライラする。
「笑えないなら、笑わない方がいいですよ?」
青髪の笑顔から温もりが消えてく。
絶対零度の微笑み。
「“今のあなたには”そっちのほうが似合いますよ」
ニッコリ微笑む。
無理に笑うなら、笑わない方がいい。
そのうち、ホントの笑顔がわからなくなる。
そんな思いする人は、ウチだけで十分だ
「用はそれだけです。勝手に入ってすみませんでした。」
ペコッと頭を下げて閉じた扉を再び開ける。
戸惑いもなく、屋上からでる。
「仲間を守りたいなら、信じて」
扉が閉まる前、小さくつぶやいた声が聞こえたかどうかは
わからない―――――――――