龍蝶
とにかく走った、もう必死に。
中学で陸上やってて良かったと、今本気で思ってる。
公園に逃げ込んだウチ。
「あっ!あれ・・・っ!」
目の前にあったものに、全力で登った。
「もー、佳乃ちゃん、なんで逃げるの、さー・・・・え?」
赤髪も、そこにいる5人全員がウチを見て目を丸くした。
「ど、どうして・・・ジャングルジム・・・?」
「だ、だって、目の前にあったし~・・・捕まあらないかなぁ~・・・って」
そう、ウチは目の前にあったジャングルジムに全力で登った。
そりゃぁ、もう本気で。
「馬鹿か」
むかつく!!!!なにこいつ!!!
朝の奴が、そりゃぁもう凄い哀れな奴だな、みたいな視線を投げてくる。
むかつく!!!