龍蝶
でも、こんな非常事態でもスイッチ入れてるウチに、間違ってもジャングルジムのてっぺんから飛び降りて、飛び蹴りなんてマネはできない。
そんなことしたら、むしろそっちの方がまずくなる。
「あ、あははは」
にっこり笑って、そいつを見る。
そうしてやれば、なんでか眉間に皺を寄せた。
・・・・どこまでもムカツクヤツダナ。
「まぁ、とりあえず降りてきてよ、佳乃ちゃん」
爽やかスマイルを向けてくれるのは、黒髪くん。
ってか・・・
「あの、なんで名前・・・」
控えめ女子の、典型的な喋り方だよね。これ。
やっててさ、ホント吐き気するんだけど、吐いたらこれを素でやってる人にシツレイダヨネ。
「あぁ、ちょっと調べさせてもらったんだよ、わりぃな。」
「いえ・・・」
この黒髪くん、情報担当なんだぁ・・・
まぁ、知的オーラが出てるけど・・・