私と彼女の関係
拓也の電話を切ってから、考えていた。
どうやって話を持ち出そうか。

緊張する。

美幸の声を聞くのが、こんなに怖いなんて。
初めて感じた。
私の知らない美幸がいるなんて、

…恐怖。

幽霊とか、そんな恐怖じゃない。
この感情なんて、言うんだろう。

兎に角!! 真相を確かめないと。
トゥルルル… トゥルルルルル…

やけに長い。

もしかして、自分と話たくないんじゃないか。
嫌な展開が頭ん中で、繰り広げられる。

「もしもし、うなぁ??」

私の予想は見事に外れた。
いつも通り、明るい美幸の声だった。
ただ、いつも通りすぎて逆に恐ろしかった。

「もしもし、元気? 最近どうなん?」

相手の出方に探りをいれる。

「特に何も。 仕事くらいかな?」

このままでは、話がずれていく。
仕方ない。
直球で聞いてみるか。
そう気軽に。

「あん時の真二とは、どうなったん?」

普通に聞けた。
何もなければ、何てことない返事が返ってくる。

「ぁっ… ぅん。」

彼女は黙ってしまった。
嘘やろぉ…。 
拓也の話が繰り返される。
真二との話の続きがあるんだ。
何で、言ってくれんかったん…。

嫌な沈黙が続いている。
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