私と彼女の関係
「まだ、ぁれから、
 連絡っぃてへんの?」

おそる、おそる聞いてみた。
耐え難い沈黙が、しんどかったから。

「もぅちょっと、付き合って貰ってぃぃ?」

彼女は、もうひとつ、
寄りたい所があるみたいだ。

向かった先は、近所のコンビニだった。
真二の家から一番近いコンビニだ。

入り口付近には、若い男の群があった。
5,6人だろうか。
ゆっくり走らせる彼女は、
緊張気味で、彼を探していた。

「ぃたっ!」

「ぇっ…」

いくら家に帰ってるからって、
こうも簡単に、見つけられるとは思ってもいなかった。
彼女はどうするんだろう。
やっぱり問い詰めるんだろうか。
考えていた。
こんな経験初めてで、私は第三者を装ったらいいのか。
私は、次の展開を面白半分で期待していた。

車は、スピードを上げ、
彼女は逃げるように、コンビニから遠ざかっていく。

「ぇ。 ぇっっ?」

彼女もかなり、興奮状態だった。

「真二ぉったぁ…。 
    …どぅしたらぃぃん…」

会いに来た筈なのに、
実際彼を目の前にした彼女は、
パニくってしまっていた。

荒い運転で、進む車。
このまま遠ざかってしまったら、
美幸は後悔するだろう。
止めないと。

美幸をなだめ、近くの公園に車を止めさせた。

「どぅすんの美幸?
 真二さっきのコンビニにぉったんゃんなぁ?」

彼女の目はまだ泳いでいた。
今日だけではなく、
あれから何回か、
こうして
真二の家に足を運んだと言う。
彼の家方面に寄ると、
どうしても足が向いてしまうんだと。

「会ってどぅしたかったん?」

イキナリ途切れた連絡とか、
友達としてでも、会って貰えないのか。
彼女の想いは、真二と繋がらなくてもいい
ただ、理由が知りたかったと。

彼女はあの件で、引くどころか、
真二のことを諦められず、
どうしても
もう一度会いたかった。
もう一度、話がしたかった。
彼女の彼をまだ好きでいる気持ちが
強く伝わってくる。
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