私と彼女の関係
「嘘ついといんのは、お前やろがぁ!
 どっから情報まわってきたんか、
 はよ言ってみろやあ!!」

まずい。
美幸には拓也の話はしたが、
拓也からの情報だなんて言えるはずがない。
拓也と真二の間にも、
絶対忠誠が存在した。
拓也も真二には頭が上がらない。
拓也が真二の隠し事を、
外に漏らすなんて絶対有り得ないのだ。
だからこんなに強気に攻めてくる。

「誰でもぃぃゃろがぁ!
 一言謝ったら済む話とちゃぅんけぇ!」

私の怒鳴るだけの攻撃は浅かった。
この口喧嘩は、もう真二のペースだ。

「どっからの情報か聞いとんのじゃ!!
 お前が口割らん限り、帰さんぞ」

誰が聞いたって、
真二は盗撮を認めている。
漏らした奴が居る。
そう聞こえる。
でも私には、言えない。
予定が狂ってしまった。
情報を掴んでいる私達は、
圧倒的に有利だと思っていた。
でも情報元を言わない限り、話は続かない。

「ぉ前がビデオ撮ってばら撒ぃたん知ってんのじゃ。
 それ見ょった奴からの話聞ぃとんねん」

これでも、確信は突いていない。
しかもドジを踏んでしまった。
盗撮に使われたのは携帯の動画像なので、
ビデオと言うと話が変わってくる。

「はぁ!? 俺ビデオなんて持ってへんぞ!
 ぉ前めちゃくちゃ言ってんなや!」

やっぱり痛い所を突かれた。
今更、ムービーだったなんて
言っても意味がない。
て言うか、プライドがそれを許さない。
もう無理だ。
このキチガイは自分の過ちを認めない。

拓也…。
彼のみが、話のケリをつけられる。
彼が、情報を漏らした本人だって
言ってくれたら、話はまとまる。
完全に真二の負けなのに。
でも、拓也の発言は、期待出来なかった。
拓也は、真二のバックを恐れている。

私が黙り込んでしまったので、
美幸は一層声をあげて泣いた。
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