そらいろ
そのままぼんやりとして、どれくらいの時間が経ったのか。
がちゃり、と。
扉から音がした。
「……なあ、何してんの?」
掛けられた声に、男子にしては高い声だな、と思う。
振り返って、それもそのはずだと考え直した。
黒く長いくせっ毛の小柄な女子が、ドアノブに手をかけたまま透を見て首を傾げていたのだ。
状況から見て、声を掛けてきたのは彼女だろう。
……そして恐らく、大翔の言っていた『美少女ちゃん』も彼女だろう。
この容姿なら学年のマドンナとすら言われる飯島鈴羅(いいじま れいら)とも張る。