そらいろ

「いや、別に。特に何かをしていた訳でもないかな」
「へぇ。変な奴」


少女は肩を竦めると、すたすたと透の目の前まで歩いてきた。
距離が近付いたことで、少女の背の低さに気付く。
150に届くかも怪しい程度しかない。


「私、あんたのこと知ってる」
「……え、」
「1年1組1番、青野透。だよな」
「え、あ……そうだけど……」


何で知ってるの、と聞く前に少女が理由を教えてくれた。


「私は沢口空(さわぐち そら)。1年1組19番。聞き覚えはないか?」


聞き覚えはあった。
入学式から一度も顔を見たことのない同じクラスの女子。
確か名前は、沢口。

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